映像制作/USTREAM・IP配信会社のジーマ代表が、徒然なるままに書き綴る とりとめもない出来事、映像、映画業界のお話 http://ji-ma.tv/ http://ji-ma.jp/


by imao001

タグ:中山美穂 ( 1 ) タグの人気記事

辻仁成の原作を「私の頭の中の消しゴム」で泣かせの演出に評価の高かった韓国のイ・ジェハン監督が映画化。原作の映画化権売却の際、条件が条件が提示されたのかは知りませんが原作者の奥さん、中山美穂が主演、共演に私も大好きな俳優の一人、西島秀俊が出演というなかなかよい人選のキャスト、スタッフ陣です。他のスタッフ、キャストを見てもとても興味がそそられる映画かと思います。あまり公開直後に個人的な意見で動員を下げたくもないので(と心配するほどこのブログにアクセスはないですが…)、公開前とか、公開直後の斜に構えた映評は差し控えているのですが(オススメ映画は別です。素直に賞賛してます。)、この映画に関しては、興味を持った人はおそらく劇場へと自然に足を運ぶであろう映画なので素直な感想をアップします。

と言いつつ、感想を語る前にまず個人的な思いを一言。この映画、製作は韓国の会社です。原作、キャスト陣は日本のメジャーな方で占められていますが、表向きは日本映画ですが、実際は韓国映画です。何を言いたいかというと、10何年か前、国策で映画文化に力を入れ優秀な作品を世界に送り出していた韓国が、もはや国内の映画産業は衰退し、市場規模、産業として活路として日本を選んでいるのではないか、という気がするのです。単純に「監督が原作を買おうと思ったら色々条件があって結局日本映画みたいになっちゃった」というのならまだいいのですが、韓国の映画制作陣が活路を日本(おそらく“アジア”という視点かとは思いますが)に見出しているのではないかと思うのです。正直、観客にとってはどこの国の映画製作だろうが面白ければ良いのは当たり前なのですが、映画に携わる人間としては“黒船来航”という気分ではありませんが、日本の制作陣もうかうかしてられない、と純粋に思うのです。お隣には巨大な市場もあるのですから、日本映画界も視野を広げて頑張って欲しいものです。

c0162328_074191.jpg閑話休題。まず映画全体の印象でいうとちょっと長いという気がします。ダラダラしたシーンが正直多く、商業監督ならあと30分は切って欲しいボリュームです。普段、映画を見ている時には落ち着きのない私がなんとか腰を据えて見れた映画ではありますが、登場人物もこの数の映画ならば、観客の楽しみとしても、興行のことを考えても110分ぐらいの尺で済ませて欲しいです。2時間15分もの時間だと、上映時間がわかった時、限りある余暇の時間を映画に割こうと気持ちが薄れますし、またシネコンが多い現在の上映環境をさっぴいても、見に行けるチャンスが減ります。劇場側からするとこれぐらいの尺の映画を4回も上映するのは人件費等のことを考えてもちょっと厳しいですから、もう少し短くしても良いんじゃないかなぁといった感じです。

c0162328_083932.jpg演出的な面でいうと、これも全体尺の話に繋がってきますが、監督さんは映画作家的な精神が強いのか個々のシーンが長すぎます。映画たりえようとするがために延びているんでしょうが、これは作家性的な部分よりも監督のはさみを入れられない思い切りの悪さだと思います。恋愛映画を観る観客の心理としては、テンポ良く、いらぬエピソードはそぎ落として、間延び感をなくし、ハラハラドキドキを増幅させて一気にクライマックスへと辿り着かせて欲しいのです。デートムービーとしてはもってこいの映画に思えるのに、監督としては切れる尺を切れないのは残念です。監督としてはアートムービーを撮ったつもりかもしれませんので、監督に対してこれ以上の苦言はなんですが、プロデューサーならば尺なり内容なり、完成型にもう少し考えて頂ければと思います。

c0162328_082741.jpgまた映画の展開で、未完の大恋愛の後、あれから25年という設定が有るのですが、残念ながらこれが全然駄目。ヘアーメイクさん達からすればここがあなた方の腕の見せどころなんじゃないでしょうか?と言いたくなるのですが、中山、西島両氏ともに中途半端な髪型、及びメイクであれから25年という物語の基盤にヒビが入ると思います。本編をご覧頂くと誰もが『あ、このことか…』とわかるかと思いますが、ちょっとこの点は映画の完成度を損ねている様に思います。“映画の長さ”と“無理のあるメイク”、この2点は正直、結構期待していたこの映画を失望させるに足る要素でした。ただ物語や、映像美など映画としての完成度は充分ありますのでデートムービーとしても充分価値アリかと思います。高校生、大学生など、春休みを前にした公開なのでいいタイミングではないかもしれませんが時間に余裕がある方は是非ご覧下さい。

※映画は“長い長い”と言っておきながら、自身のブログは長くても一向にかまわないと思っている香川でした。

公式サイト「サヨナライツカ」

興行的には好調のようです

「サヨナライツカ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

「このブログは面白い!」など思っていただけたら下のアイコンを押してください!

にほんブログ村 映画ブログへ

[PR]
by imao001 | 2010-02-11 23:29 | レビュー