映像制作/USTREAM・IP配信会社のジーマ代表が、徒然なるままに書き綴る とりとめもない出来事、映像、映画業界のお話 http://ji-ma.tv/ http://ji-ma.jp/


by imao001

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ようやく各社出揃った感のある映像機器のファイルベースカメラ(メモリーカードカメラとも呼ばれますが)。Panasonicは言わずもがなDVCPRO HDのP2シリーズAG-HPX175等)をメインに展開、Canonは6月下旬にMXF形式、MPEG-2フルHD4:2:2XF305を発売。SONYはXDCAM EXシリーズではMPEG-2 Long GOPPMW-EX3やPMW-EX1を進化させたPMW-EX1R、そしてHDVカメラでも好評のHVR-Z5JをベースとしたAVCHDカメラ HXR-NX5J、Victor はMPEG-2 Long GOPのQuickTime収録でFinal Cut Studioとの親和性も捨てがたいGY-HM700と、各企業なかなか特色を出しての主導権争いといった感じです。個々のファイル形式での優劣などはさておくとして、やはり機動性と価格設定などからソニーなどは放送系にガンガンアピールしていくことでしょうし、キャノンなどは海外放送局などに強いですからそういった点でも盛り上がりそう(5D markⅡとはどう整合性をとるのか微妙ですが…)、パナソニック、ビクターは自主制作ユーザーや企業物を得意とする映像制作会社に根強い人気。個人的にはデモ機等を触ってみた感触、及びコストパフォーマンスから言って、ソニーのHXR-NX5Jは非常に関心が高い商品です(2メディアでの収録可能な点が嬉しい)。確かに業界内でも評価は分かれるところではありますが、個々のメリットを制作スタイルに反映させれば自ずと自社でどういったカメラを使うべきか見えてくるでしょう。今のような映像制作会社にも厳しいご時世だからこそ、こういった技術の進歩をいちはやくキャッチして、自社に有利な制作スタイルを確立していただいたいと思います。

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Panasonic HPX175


Canon XF305

Sony HXR-NX5J

Sony PMW-EX1R

Victor GY-HM700
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by imao001 | 2010-04-30 23:55 | お仕事:映像制作

さよなら歌舞伎座

このブログを更新している本日、四代目にあたる現在の歌舞伎座が最後の興行の千秋楽を迎えました。30日には特別興行があるとはいえ、実質的にいまの歌舞伎座の幕が降ろされる日です。思えば東京に出てきてアート系の大学なんぞに入らなければ歌舞伎と出会うこともなかったように思います。大学時代はお金が無いので幕見席(千数百円ほどで一幕分の演目が四階席で見られる)などによく行き、小劇場などを観るのと同じ感覚で歌舞伎に接していました。また文楽狂言なども(財布を気にしながらも)積極的に見ていた記憶があります。歌舞伎に限らず文楽や能、狂言にも言えることですが、普通に暮らしていると古典芸能に関心を寄せることなど、よほど特別な機会がない限り無い様に思います。が、がしかし、もしこのブログをご覧いただいた方で歌舞伎を観たことがないという方、是非“歌舞伎ぐらいは”日本人なら観ておいて下さい。今回の興行、私も最後に良い思い出をと幕見席で鑑賞しました。俳優陣もこれ以上にないぐらいのオールスターキャスト、内容も最後の演目にふさわしい演目が並んでいました。またそれを見に来た観客も、今の歌舞伎座との別れを惜しむ人々に混じって、海外から来た旅行者や日本在住と思しき外国の人が立ち見でもいいからと見入っていました。大学の頃は私も幕見でばかり見てたので役者も誰だかわからず、内容の把握もおぼつかない中でじっと見ていた記憶があります。しかし今思うと良い演目はしっかりと胸に残ています。確かに学生時代に観た歌舞伎の演目の中には忘れられない舞台が幾つもありました。私でさえ十分に楽しめる歌舞伎なんですから、好奇心旺盛な本ブログの読者の方々ならもっと楽しめることと思います。海外の人々も関心を寄せる“歌舞伎”というこの国の文化を知らず、なんとなく日本人として漠然と過ごしてしまうのも残念に思えます。今の形の歌舞伎座はなくなってしまいますが、歌舞伎は年中、国内のどこかで演じられています。今の歌舞伎座がなくなるのは残念ですが、これを機に歌舞伎を知り、見に行くきっかけになってもらえればと思います。

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by imao001 | 2010-04-28 18:02 | 日記
これまでファイルベースでの制作ワークフローは、どちらかと言うと企業ものや、ネット関連の映像を手がけていた映像制作の会社に多かったように思います。放送業界が導入したがらなかった主たる理由は、ファイルベースでの撮影、編集では制作工程上、データの破損、消失などが起こっては致命傷になるから、という理由からでした。そういった理由で敬遠されてきたファイルベースでの制作ですが、放送業界でもいよいよ制作費削減の限界から、ファイルベース制作に追い風が吹いているようです。

Canon 5D markⅡの登場は、映画制作業界におけるRED ONEに等しく、映像制作全体がその動向、潮流に目を見張っています。弊社でも5D markⅡに関しては担当を増強、ロケ体制の強化を図りました。別立てでの音声収録など、ビデオ制作に慣れた方々には難しい部分もありますが、それ以上に慣れないであろう問題が“ファイルの管理”。フィルムの現場では当たり前のフィルムの管理と同じく、メディアにデータファイルを保存するファイルベースの映像制作は、5D markⅡの撮影でも同様に、ファイル(=メディア)の管理が発生します。これまで放送業界ならば撮影時、さほど気にすることがなかった撮影素材の管理が重要になってくるのです。テープの場合そのままバッグに入れ放置していても良かったであろう撮影素材ですが、たしかにファイルベースだと、適当にバッグに詰めてうろちょろ動く、ということは適切でないように思われます。そこで弊社で考えたフローが、ADやアシスタントに相当する人物にファイルキーパーという形でひとつの役目をあたえるということ。撮影が一段落ついたところでメディア交換、ファイルキーパーがバックアップののちマスターメディアも安全な場所に管理する、という方法です。先日見た撮影現場でも同様に撮影アシスタントがファイルキーパーとして機能していました。確かなバックアップとマスター管理の感覚があればファイルベースの制作も造作無いと思われます。また、放送業界の方はテープを何度も使用することはありませんが、メディアならば通常の使用で数百回クラスまでは読み書きに問題はありません。メディアは高いとお思いの方でも、長期的に考えれば確実にテープ代の節約になり、コスト的にも納得が行くことと思います。

また、編集環境を考えると、確かにXDCAMなどはLong GOPのなので対応に苦慮するかとは思うのですが、新たに発売されたソニーのNXCAM、放送業界の方があまり使わないPanasonicのHPXシリーズなどであれば問題なくフレーム編集出来ますし、ファイルベースの制作体制もはじめやすいと思います。確かに新たな設備投資など様々な問題点がありそうではありますが、統一フォーマットの作成、互換フォーマットでの対応などが進めば、ローコストな制作環境も実現出来そうですので、制作会社の方々もこの機会にファイルベース制作を考えてみてはいかがでしょうか。


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by imao001 | 2010-04-17 10:11 | お仕事:映像制作