映像制作/USTREAM・IP配信会社のジーマ代表が、徒然なるままに書き綴る とりとめもない出来事、映像、映画業界のお話 http://ji-ma.tv/ http://ji-ma.jp/


by imao001

放送もファイルベース制作の時代へ

これまでファイルベースでの制作ワークフローは、どちらかと言うと企業ものや、ネット関連の映像を手がけていた映像制作の会社に多かったように思います。放送業界が導入したがらなかった主たる理由は、ファイルベースでの撮影、編集では制作工程上、データの破損、消失などが起こっては致命傷になるから、という理由からでした。そういった理由で敬遠されてきたファイルベースでの制作ですが、放送業界でもいよいよ制作費削減の限界から、ファイルベース制作に追い風が吹いているようです。

Canon 5D markⅡの登場は、映画制作業界におけるRED ONEに等しく、映像制作全体がその動向、潮流に目を見張っています。弊社でも5D markⅡに関しては担当を増強、ロケ体制の強化を図りました。別立てでの音声収録など、ビデオ制作に慣れた方々には難しい部分もありますが、それ以上に慣れないであろう問題が“ファイルの管理”。フィルムの現場では当たり前のフィルムの管理と同じく、メディアにデータファイルを保存するファイルベースの映像制作は、5D markⅡの撮影でも同様に、ファイル(=メディア)の管理が発生します。これまで放送業界ならば撮影時、さほど気にすることがなかった撮影素材の管理が重要になってくるのです。テープの場合そのままバッグに入れ放置していても良かったであろう撮影素材ですが、たしかにファイルベースだと、適当にバッグに詰めてうろちょろ動く、ということは適切でないように思われます。そこで弊社で考えたフローが、ADやアシスタントに相当する人物にファイルキーパーという形でひとつの役目をあたえるということ。撮影が一段落ついたところでメディア交換、ファイルキーパーがバックアップののちマスターメディアも安全な場所に管理する、という方法です。先日見た撮影現場でも同様に撮影アシスタントがファイルキーパーとして機能していました。確かなバックアップとマスター管理の感覚があればファイルベースの制作も造作無いと思われます。また、放送業界の方はテープを何度も使用することはありませんが、メディアならば通常の使用で数百回クラスまでは読み書きに問題はありません。メディアは高いとお思いの方でも、長期的に考えれば確実にテープ代の節約になり、コスト的にも納得が行くことと思います。

また、編集環境を考えると、確かにXDCAMなどはLong GOPのなので対応に苦慮するかとは思うのですが、新たに発売されたソニーのNXCAM、放送業界の方があまり使わないPanasonicのHPXシリーズなどであれば問題なくフレーム編集出来ますし、ファイルベースの制作体制もはじめやすいと思います。確かに新たな設備投資など様々な問題点がありそうではありますが、統一フォーマットの作成、互換フォーマットでの対応などが進めば、ローコストな制作環境も実現出来そうですので、制作会社の方々もこの機会にファイルベース制作を考えてみてはいかがでしょうか。


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by imao001 | 2010-04-17 10:11 | お仕事:映像制作