映像制作/USTREAM・IP配信会社のジーマ代表が、徒然なるままに書き綴る とりとめもない出来事、映像、映画業界のお話 http://ji-ma.tv/ http://ji-ma.jp/


by imao001

映評:愛を読むひと

年に200本以上も映画をむさぼるように見ていた浪人や学生の頃は、心底感動する映画によく出会えました。もちろんその本数ゆえにということもありますが、自分で言うのもなんですが当時は結構、映画を見る眼が肥えていたということがいえます。ところが、自由な時間が減り、働き始めて以降は徐々に映画を見る機会も減り、会社を運営するようになってからは週1本が限界の状況です。そんな昨今、まれに涙を流すような映画はあっても(涙腺が弱くなったか?)、号泣できる良質な映画というのはそうめったにありませんでした。ところが!ところが先日、まったく予備知識なしで、“ケイト・ウィンスレット”が出ている、という理由だけで見に行った映画で、不覚にも号泣してしまいました。近年、これほど感動した映画はないと胸を張っていえます。その映画が…

「愛を読むひと」

タイトルからしてニック・カサヴェテス監督の「きみに読む物語」とさりとて変わらんだろうと軽んじておりました。内容もまったく知らず、テレビの予告を見ながら、『彼が耳元で本を読んでくれる幸福な日々、老後になってそんな日々を回顧する』的な隠居映画だと思ってました(じゃあ何で見に行ったんだと聞かれると「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」の好演が気になっていたからでしょう…)。侮っておりました。この映画、ストーリーを知らずに行くとグッと来ます。

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舞台は戦後のドイツ、主人公のマイケルはふとしたことから21歳も年上のハンナと交際を始める。15歳にして大人の女性の魅力を知り、連日情事にふけるマイケルだが、そんな日々の中、ハンナがちょっと変わったお願いをする。情事の前に本を朗読してほしいというのだ。マイケルは請われるまま様々な書を朗読し、ハンナを楽しませる。2人だけの濃密な時間が過ぎていったにもかかわらず、ある日、ハンナは忽然と姿を消す。そして8年後、大学で法律を学ぶマイケルの前に、ハンナが現れる。その現れた舞台というのもマイケルが大学のゼミで傍聴に来ていた法廷の “被告人席” だった。

導入だけを語るとこのような感じで、まさに『別に…(c 沢尻エリカ)』という感じの物語なのですが、話が進むうち彼女の大きな秘密が徐々に明らかにされ、クライマックスに至っては私の涙腺は崩壊してました。まさに涙ダダ漏れです。原作はベルンハルト・シュリンクのベストセラー「朗読者」、また、スタッフが驚きの人々でプロデューサーに、二人の巨匠アンソニー・ミンゲラとシドニー・ポラック(二人の死後、別の方が引き継いでいます)。撮影はクリス・メンゲス、ロジャー・ディーキンズ。脚本にデヴィッド・ヘアで、監督がスティーブン・ダルドリー。でキャストも十二分に満足できるキャスト陣で、いやはやなぜこんなメンバーの映画に気づか
なかったか自分でもびっくりです。そんな中でもケイト・ウインスレットの演技はただ一言『素晴らしい』。アカデミー賞主演女優賞なぞくれてやるわい!といった気にさせる素晴らしい演技です。久しく高貴な演技というものに出会っていなかったのですが、クライマックスに近づくにつれ輝いていきます、彼女の演技。これを見るだけでも1800円、ポンと払えます。

ま、そんな香川絶賛の映画なのですが、見終わった後はズシ~ン…と重いです。“罪とは何ぞや” “誇りとは何ぞや” “生きるとは何ぞや”等々いろんな考えや感情で頭フル回転になります。いま一番考えさせられる映画「愛を読むひと」、興味を持って頂いた方は是非見に行ってください。損はさせません!


ケイト・ウィンスレットが語る惜しみない“愛”
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by imao001 | 2009-07-06 20:51 | レビュー